GLOSSARY
経営・補助金・マーケティング用語集
中小企業の経営者・実務担当者が補助金申請やマーケティングの現場で出会う用語を、実務でどう関わるかまで含めて解説します。
補助金の公募要領や広告運用のレポートには、説明なしに専門用語が並びます。ここでは当社がご相談を受ける中でよく質問をいただく用語を、「実務でどう関わるか」まで含めて整理しました。制度の金額や要件は改定されるため、具体的な数字は必ず最新の公募要領でご確認ください。
全56語
補助金・助成金
補助金・助成金の用語
申請から入金までの流れの中で出てくる言葉です。似た言葉でも意味が違うため、混同すると手続きを取り違えます。
- 補助金ほじょきん
- 国や自治体が、政策目的に合う取り組みの費用の一部を負担する制度です。原則として公募期間があり、申請しても審査で落ちることがあります。予算の上限があるため、要件を満たしていても採択されない場合があります。
- 助成金じょせいきん
- 要件を満たせば原則として受給できる制度で、雇用や労働環境の改善を目的としたものが多く、厚生労働省系が中心です。補助金と違って審査による選抜がないものが多い一方、受給までに就業規則の整備など事前の準備が必要になります。
- 公募要領こうぼようりょう
- その回の補助金の要件・対象経費・提出書類・締切をまとめた公式文書です。回ごとに内容が変わるため、前回の情報で準備を進めると要件を外します。申請の作業はこの文書を読むことから始まります。
- 採択さいたく
- 審査を通過し、補助対象として選ばれることです。採択された時点ではまだ支払いは確定しておらず、次の交付決定を待つ必要があります。
- 交付決定こうふけってい
- 採択後に経費の内容を精査され、正式に補助金額が決まることです。交付決定の前に発注・契約・支払いをすると、その経費は対象外になります。実務で最も事故が多い箇所です。
- 実績報告じっせきほうこく
- 補助事業が終わったあとに、何にいくら使ったかを証拠書類とともに報告する手続きです。見積書・発注書・納品書・請求書・振込記録の整合が求められ、書類が揃わない経費は認められません。
- 精算払いせいさんばらい
- 補助金は原則として事業完了後にまとめて支払われる方式です。つまり費用は先に自社で立て替えます。資金繰りの計画が必要になる理由がここにあります。
- 概算払いがいさんばらい
- 事業完了前に補助金の一部を受け取れる仕組みです。制度によって認められる場合と認められない場合があり、認められても手続きが別に必要です。
- 補助率ほじょりつ
- 対象経費のうち補助される割合です。2分の1、3分の2などと定められ、残りは自社の負担になります。補助上限額と両方の制約がかかります。
- 補助上限額ほじょじょうげんがく
- 1件あたりに支払われる補助金の上限です。補助率で計算した額がこれを超える場合は、上限額が適用されます。従業員数や申請枠によって変わることが多いです。
- 対象経費たいしょうけいひ
- 補助の対象として認められる費目です。機械装置費・広告宣伝費・外注費などが定められ、汎用性の高いパソコンや車両、既存事業の運転資金は多くの制度で対象外です。
- 事業計画書じぎょうけいかくしょ
- 何を課題とし、どう解決し、結果としてどうなるかを示す申請の中心書類です。審査は主にこの内容で行われます。数値目標と、それを達成する具体的な手順が対応しているかを見られます。
- 加点項目かてんこうもく
- 審査で有利になる要素です。経営革新計画の承認、事業継続力強化計画の認定、賃上げの表明などが該当します。要件ではないため必須ではありませんが、採択率に影響します。
- 認定支援機関にんていしえんきかん
- 国が認定した中小企業の支援機関で、金融機関・商工会議所・税理士・中小企業診断士などが登録されています。制度によっては申請時に確認書の作成を求められます。
- GビズIDプライムジービズアイディープライム
- 国の電子申請に使う共通のアカウントです。取得に印鑑証明書などの郵送手続きが必要で日数がかかるため、締切間際に気づくと申請自体が間に合いません。先に取っておく類のものです。
- 賃上げ要件ちんあげようけん
- 給与支給総額や事業場内最低賃金の引き上げを条件とするものです。表明した水準を達成できなかった場合、補助金の返還を求められることがあります。計画段階で実現可能性を確かめる必要があります。
- 収益納付しゅうえきのうふ
- 補助事業で一定以上の収益が出た場合に、補助金の一部を国に返す仕組みです。制度によって有無が異なります。想定していないと後年になって資金計画が狂います。
マーケティング・集客
マーケティング・集客の用語
施策を評価するための言葉です。定義を揃えずに議論すると、同じ数字を見ながら結論が食い違います。
- CPAシーピーエー
- Cost Per Acquisition。1件の成果(問い合わせ・購入など)を得るのにかかった広告費です。広告費を成果件数で割って求めます。成果の定義を揃えないと比較できない指標です。
- CVRシーブイアール
- Conversion Rate。訪問者のうち成果に至った割合です。CPAが悪いとき、原因が広告の当て方なのか着地ページなのかを切り分ける手がかりになります。
- LTVエルティーブイ
- Life Time Value。1人の顧客が取引期間全体でもたらす利益です。単発の売上ではなくLTVで見ると、1件の獲得にいくらまで払えるかが決まります。
- ROASロアス
- Return On Advertising Spend。広告費に対して何倍の売上が得られたかを示します。利益率を考えないと、ROASが高くても儲かっていないことがあります。
- MEOエムイーオー
- 地図検索での上位表示を目指す取り組みです。Googleビジネスプロフィールの情報・写真・口コミ・投稿が主な要素になります。店舗型の事業では来店数に直結します。
- SEOエスイーオー
- 検索結果での上位表示を目指す取り組みです。広告と違って費用を止めても流入が残る一方、効果が出るまでに数か月かかります。
- AIOエーアイオー
- AI検索(生成AIによる回答)の中で自社が正しく引用されるようにする取り組みです。検索結果のクリックを経ずに回答が完結する場面が増えたことで、従来のSEOとは別に意識される考え方になりました。
- Googleビジネスプロフィールグーグルビジネスプロフィール
- Google検索とGoogleマップに店舗・事業所の情報を表示する無料の仕組みです。営業時間・写真・口コミ・投稿を管理でき、地域検索での見え方を決めます。
- 指名検索しめいけんさく
- 社名やサービス名で直接検索されることです。既に知っている人の検索なので成約率が高い一方、新規の見込み客には届きません。非指名検索を増やす施策が別に必要になります。
- リードリード
- 見込み客のことです。問い合わせ・資料請求・イベント参加などで接点ができた相手を指します。件数だけでなく、商談に進む確率を含めて評価します。
- ペルソナペルソナ
- 想定する顧客像を具体的な人物として設定したものです。役職・課題・情報の集め方まで決めると、発信する内容と場所の判断がぶれにくくなります。
- カスタマージャーニーカスタマージャーニー
- 顧客が課題を認識してから契約に至るまでの過程を段階に分けて整理したものです。どの段階で離脱しているかが分かると、打ち手を絞れます。
- LPエルピー
- Landing Page。広告や検索から訪問者が最初に着地するページです。1つの行動に絞った構成にするのが一般的で、サイトのトップページとは役割が異なります。
- オーガニック流入オーガニックりゅうにゅう
- 広告を経ずに検索結果から訪問されることです。費用がかからない流入経路のため、コラムや事例の蓄積がここに効いてきます。
広告運用
広告運用の用語
運用レポートに並ぶ言葉です。数字の意味が分かると、代理店の報告を評価できるようになります。
- インプレッションインプレッション
- 広告が表示された回数です。表示されただけで見られたとは限らないため、クリック率と併せて見ます。
- CTRシーティーアール
- Click Through Rate。表示回数に対するクリックの割合です。低い場合は訴求文と検索意図がずれている可能性を示します。
- CPCシーピーシー
- Cost Per Click。1クリックあたりの費用です。競合が多い語ほど高くなります。CPCが上がっても成約率が高ければ成立することがあります。
- 品質スコアひんしつスコア
- 検索広告で、キーワードと広告文・着地ページの関連性を評価した指標です。高いと同じ費用でも表示されやすくなります。
- リターゲティングリターゲティング
- 一度サイトを訪れた人に再び広告を表示する手法です。成約率は高い傾向にありますが、母数が訪問者数に依存するため単独では規模を作れません。
- コンバージョン計測コンバージョンけいそく
- 広告経由の成果を記録する設定です。これが正しく入っていないと、どの広告が成果を出したか判断できません。運用の前提となる設定です。
- 予算消化よさんしょうか
- 設定した広告予算がどれだけ使われたかです。消化しきれていない場合、配信の設定が絞られすぎている可能性があります。
- 入札戦略にゅうさつせんりゃく
- いくらで広告枠を競るかの方針です。クリック数を優先するか成果単価を優先するかで結果が変わります。学習に一定の成果データ量が必要な方式もあります。
財務・経営
財務・経営の用語
資金と利益の話です。補助金は立て替えが前提のため、ここの理解が申請可否の判断に直結します。
- 運転資金うんてんしきん
- 仕入・人件費・家賃など、事業を回すために日々必要な資金です。売上が伸びる局面ほど先に出ていく額が増え、資金が足りなくなることがあります。
- キャッシュフローキャッシュフロー
- 実際の現金の出入りです。利益が出ていても入金が後ろにずれると現金は減ります。黒字でも資金が尽きることがあるのはこのためです。
- 粗利あらり
- 売上から売上原価を引いた利益です。ここが確保できていないと、販促や人を増やしても改善しません。値付けの判断はこの数字から始まります。
- 損益分岐点そんえきぶんきてん
- 利益がゼロになる売上高です。固定費を粗利率で割って求めます。値上げや固定費の削減がどれだけ効くかを見るのに使います。
- 固定費こていひ
- 売上に関係なく発生する費用です。家賃・人件費・リース料などが該当します。増やすと損益分岐点が上がるため、投資の判断では慎重に見ます。
- 変動費へんどうひ
- 売上に比例して増える費用です。仕入・材料費・決済手数料などが該当します。
- 月次決算げつじけっさん
- 毎月、その月の損益を締めて確認することです。年に一度の決算だけでは、判断が1年遅れます。
- 資金繰り表しきんぐりひょう
- 今後の入金と出金を時系列で並べた表です。いつ資金が不足するかを事前に把握できます。補助金の立て替えが可能かはこの表で判断します。
- 経営革新計画けいえいかくしんけいかく
- 新しい事業活動に取り組む計画を都道府県に承認してもらう制度です。承認自体で資金が出るわけではありませんが、補助金の加点や融資・保証の優遇につながります。
システム開発・AI
システム開発・AIの用語
開発を外部に依頼するときに、認識のずれが生まれやすい言葉です。
- 要件定義ようけんていぎ
- 何を作るかを決める工程です。ここが曖昧なまま進むと、後工程での手戻りが費用と期間に跳ね返ります。開発費の見積りが大きくぶれる主な原因です。
- MVPエムブイピー
- Minimum Viable Product。価値を検証できる最小限の機能に絞った初期版です。全機能を作ってから世に出すより、早く判断材料が得られます。
- SaaSサース
- Software as a Service。買い切りではなく月額などで利用するソフトウェアです。導入時の負担が軽い一方、利用を続ける限り費用が発生します。
- APIエーピーアイ
- ソフトウェア同士が機能やデータを受け渡すための接続口です。既存の会計ソフトや予約システムと連携できるかは、APIが用意されているかに左右されます。
- 業務フローぎょうむフロー
- 誰が・いつ・何をするかの流れです。システム化の前にこれを整理しないと、非効率な手順をそのまま自動化してしまいます。
- 生成AIせいせいエーアイ
- 文章・画像・コードなどを作り出すAIです。下書きや整理には有効ですが、事実の正確さは保証されないため、公開する内容は人が確認する前提で組み込みます。
- RPAアールピーエー
- Robotic Process Automation。決まった手順のパソコン操作を自動化する仕組みです。画面の変更に弱いため、対象業務の選び方で成否が分かれます。
- 保守運用ほしゅうんよう
- 作ったあとの不具合対応・更新・問い合わせ対応です。開発費と別に継続して必要になる費用で、見積り時に範囲を決めておかないと後から揉めます。
