広告を出し始めて数週間が経つと、最初は反応があったのにクリック数や問い合わせが減ってくることがあります。同じ内容の広告を同じ人に何度も見せていると飽きられてしまうためです。また、季節やタイミングによって刺さる訴求が変わることもあります。
このようなとき「どこを直せばよいか分からない」と感じる方は少なくありません。画像を変えるべきか、文章を変えるべきか、それとも配信設定を見直すべきか。判断の材料がなければ、やみくもに変更を繰り返して、かえって成果を下げてしまうこともあります。
本記事では、広告の反応率が下がったときに確認すべき5つの要素と、それぞれの改善手順を実務の流れに沿って解説します。初めて広告を運用する担当者の方でも、順を追って進められるように書きました。
広告クリエイティブの改善で最初に確認すべき指標
改善を始める前に、まず現状を数字で把握します。広告の管理画面で次の3つの指標を確認してください。
- 表示回数(インプレッション数):広告が何回表示されたか
- クリック数:広告が何回クリックされたか
- クリック率(CTR):表示回数に対してクリックされた割合
クリック率は、広告の見た目と文章がどれだけ興味を引いたかを示す指標です。一般的には、検索広告で1〜3%、ディスプレイ広告で0.3〜1%程度が目安とされますが、業種や商材によって幅があります。自社の過去の数字と比べて、明らかに下がっている場合は改善の必要があります。
また、クリック数はあるのに問い合わせや申し込みに至らない場合は、広告そのものよりも遷移先のページ(ランディングページ)に問題がある可能性が高いです。この場合は後半で触れる「遷移先の改善」を優先します。
画像・動画の改善|目を引く要素の見直し方
広告の画像や動画は、スクロール中の画面で一瞬だけ目に入ったときに「何の広告か」を伝える役割を持ちます。文字を読ませるのではなく、視覚的に場面を想像させることが大切です。
次のような画像は反応が低くなりがちです。
- 文字が多すぎて何を伝えたいか分からない
- 商品だけが写っていて、使う場面が想像できない
- 背景と被写体の色が似ていて、何が写っているか判別しにくい
改善する際は、次の点を意識して画像を差し替えてみてください。
- 人の手元や表情を入れる:商品を使う人の姿が写っていると、自分が使う場面を想像しやすくなります
- ビフォーアフターを並べる:変化を視覚的に示すと、効果が伝わりやすくなります
- 色の対比を強くする:明るい背景に暗い被写体、または逆にすることで、画面の中で目立ちやすくなります
画像は一度に複数のパターンを用意して、広告プラットフォームのA/Bテスト機能を使って比較することをおすすめします。どちらがよいか迷う場合でも、数日間配信すればクリック率の違いが見えてきます。
見出しと説明文の改善|伝わる文章の作り方
画像で興味を引いた後、見出しと説明文がクリックするかどうかの判断材料になります。ここでは「自分に関係がありそうだ」と思わせることが重要です。
見出しで押さえるべき要素
見出しには次のいずれかを含めると、クリック率が上がりやすくなります。
- 対象者:「初めて補助金を申請する方へ」「店舗を持つ個人事業主の方へ」など、誰のための広告かを明示する
- 解決する悩み:「人手不足で困っている」「広告費を抑えたい」など、読み手が抱えている課題を言葉にする
- 具体的な数字:「3ステップで完了」「初期費用0円」など、抽象的な表現よりも数字を入れた方が信頼されやすい
逆に、次のような見出しは避けた方がよいです。
- 「おすすめです」「人気です」といった根拠のない主張
- 「最高」「絶対」といった断定表現(誇大広告として規制される場合もあります)
- 商品名だけを書いて、何ができるかが分からないもの
説明文の役割
説明文は見出しを補足し、クリックした先に何があるかを伝える部分です。次の内容を簡潔に書きます。
- この商品・サービスを使うとどうなるか
- 他の選択肢と何が違うか
- 今クリックする理由(期間限定、在庫残りわずかなど)
文章が長すぎると読まれないため、スマートフォンの画面で2〜3行に収まる程度にとどめてください。
ターゲティング設定の見直し|届ける相手を絞る
画像や文章を変えてもクリック率が上がらない場合、そもそも広告が届いている相手が適切でない可能性があります。広告プラットフォームでは、年齢・性別・地域・興味関心などで配信対象を絞ることができます。
次のような状況では、ターゲティングを見直してみてください。
- 表示回数は多いのにクリックが少ない:興味のない人に広告が届いている可能性
- クリック単価が高すぎる:競合の多い層に配信している可能性
改善の手順としては、まず現在の配信対象を確認し、自社の顧客層と比べて広すぎないかを確かめます。たとえば、実際の顧客の8割が40代以上なのに、広告は20〜60代に配信している場合、若年層への配信を絞ることで無駄なクリックを減らせます。
ただし、絞りすぎると表示回数が極端に減って、広告が配信されなくなることもあります。最初は少し広めに設定し、数週間のデータを見ながら徐々に絞り込んでいく方が安全です。
広告配信の初期設定については、以下の記事でも詳しく解説しています。
Google広告の始め方と予算の考え方|初回設定で押さえる5つの実務ポイント
遷移先ページの改善|クリック後の離脱を防ぐ
広告をクリックした後、遷移先のページで離脱されてしまうケースもよくあります。広告とページの内容がずれていたり、ページの表示速度が遅かったりすると、せっかくのクリックが無駄になります。
次の点を確認してください。
- 広告の内容とページの見出しが一致しているか:広告で「初回限定50%オフ」と書いたのに、ページにその記載がないと不信感を持たれます
- スマートフォンで見やすいか:広告の多くはスマートフォンから見られます。文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったりしないか確認してください
- ページの表示速度:3秒以上かかると離脱率が大きく上がります。画像のサイズを最適化するなどして、表示速度を改善します
遷移先ページの改善については、以下の記事で具体的なチェックポイントをまとめています。
ランディングページ改善の実務手順|CVRを高める7つのチェックポイント
改善サイクルの回し方|テストと判断の実務
広告のクリエイティブ改善は、一度やって終わりではなく、継続的に繰り返していくものです。次のサイクルで進めると、改善の効果を確実に把握できます。
- 仮説を立てる:「画像に人物を入れたらクリック率が上がるのではないか」など、変更する理由を言葉にします
- 変更を加える:画像・見出し・ターゲティングのいずれか1つだけを変えます。複数を同時に変えると、何が効いたか分からなくなります
- 一定期間配信する:少なくとも3〜7日は配信して、データを集めます
- 数字を比較する:クリック率・クリック単価・コンバージョン数などを、変更前と比べます
- 良かった方を残す:効果が上がったパターンを残し、次の改善に進みます
改善を進めるうえで、次の点に注意してください。
- データが少ないうちに判断しない:表示回数が1,000回未満の段階では、偶然の影響が大きく、正確な判断ができません
- 複数の要素を同時に変えない:画像と見出しを同時に変えると、どちらが効いたか分からなくなります
- 改善の記録を残す:どの変更でどれだけ数字が変わったかを記録しておくと、次回以降の判断材料になります
当社のサポート範囲
当社では、広告運用の実務支援を行っています。クリエイティブの改善案の提示、A/Bテストの設計、配信データの分析などを、月次の定例会で一緒に進めることができます。
また、広告運用と並行して、補助金を活用した予算確保の支援も行っています。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や新事業進出・ものづくり補助金など、広告費やシステム導入費に充てられる制度があります。制度によって対象経費や要件が異なるため、公募要領を確認のうえ、最新の情報をご確認ください。採択を保証するものではありませんが、申請書の作成や事業計画の整理をお手伝いすることは可能です。
詳しくは以下のページをご覧ください。
まとめ
広告の反応率が下がったときは、次の5つの要素を順に確認します。
- 画像・動画:スクロールを止める視覚的な工夫があるか
- 見出し:誰のための広告か、何が得られるかが伝わるか
- 説明文:クリックする理由が書かれているか
- ターゲティング:届ける相手は適切か
- 遷移先ページ:クリック後に離脱していないか
改善は一度にすべてを変えるのではなく、1つずつ仮説を立てて試し、データで判断していくことが大切です。小さな変更でも、積み重ねることで成果は大きく変わります。
広告運用に不安がある場合や、どこから手を付けるべきか迷う場合は、専門家に相談することも選択肢の一つです。お問い合わせからご連絡いただければ、現在の広告アカウントを拝見したうえで、優先すべき改善点をお伝えすることができます。
